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住宅診断・住宅検査コラム

住宅ローン減税とは?

「住宅ローン減税」のこと、ご存知でしょうか?

この制度を知っているだけで最大40万円/年、400万円/10年間も得することができますので、活用しないと勿体ないです。

住宅ローン控除とも呼ばれるこの制度ですが、住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、ローンの一部に相当する金額が所得税や住民税から控除される制度のことを言います(確定申告により年末ローン残高の1%が10年間所得税や住民税から控除)。わかりやすく言うと、住宅ローンを払い始めてから10年間は所得税や住民税が安くなる制度です。マイホームは人生で最も高価な買い物の一つで、三大出費とも呼ばれています。年末ローン残高の1%といっても相当な額になります。しかし、ぜひ活用していきたいものですが、マイホームなら全て対象なのか?新築だけでなく中古物件も対象なのか?等気になる方もいるかと思います。中古物件も住宅ローン減税を適応可能ですが、複数の要件を満たす必要があり、わかりにくくなっています。本記事では複数ある要件を解説含めまとめましたので、ぜひご参考にしていただきたいです。

 

【新築・中古両方の要件】

①居住要件

②所得要件

③面積要件

④支払方法要件

⑤他制度未適用要件

 

【中古物件のみの追加要件】

⑥中古要件

⑦築年数要件or耐震要件

⑧取得要件

⑨非贈与要件

 

上記のようにマイホーム購入時、住宅ローン減税の対象となるための新築物件と中古物件両方に共通する要件は5つ。中古物件のみの要件は追加で4つあります。以下、各要件の詳細を解説していきます。

 

①居住要件

新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。(引用:国税庁)
住宅ローン減税は、購入した住宅に住んでいることが条件になります。住宅が2つ以上ある場合は1つにしか適応されません。また、「取得」とは契約ではなく、引き渡しであることに注意が必要です。居住の証明は、住民票や公共料金の請求書にて行うことができます。

 

②所得要件

この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること。(引用:国税庁)
1年間の合計所得(≠年収)が3千万円を越えると、その年はローン控除が受けられなってしまいます(退職金など一時的に多額の収入時に注意)。3,000万円を超えるたび、本来であれば10年間受けられる控除が9年、8年・・・と適用年数が少なってしまいます。10年間という期間は固定で、自己の合計所得金額が3千万円を超える年のみ控除が受けられないと考えればわかりやすいと思います。所得は源泉徴収票の提出により証明します。

 

③面積要件

新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。(引用:国税庁)
上記のようにある程度の面積が必要となります。床面積は登記簿に表示されている床面積により判断しますが、マンションの場合は登記簿上の専有部分の床面積で判断します。店舗や事務所等と併用の場合もあるかと思いますが、その場合は店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断することができます。夫婦や親子等と共有する住宅の場合は、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断(※マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合、区分所有する部分(専有部分)の床面積によって判断)します。この要件は、登記簿証明書によって証明できます。

 

④支払方法要件

10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築又は取得のための一定の借入金又は債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます。)があること。(引用:国税庁)
簡単に言うと、ローンの返済期間が10年以上の場合のみ、住宅ローン減税が適応されるということです。ただし勤務先から借りる場合には、無利子又は0.2%(平成28年12月31日以前に居住の用に供する場合は1%)に満たない利率による借入金は住宅ローン減税の適応することができないので、要注意です。また、親族や知人からの借入金は全て住宅ローン減税が適応外になります。融資額残高証明書にて、この支払方法の要件を証明することができます。

 

⑤他制度未適用要件

居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など(租税特別措置法31条の3第1項、35条1項(同条3項の規定により適用する場合を除きます。)、36条の2、36条の5若しくは37条の5又は旧租税特別措置法37条の9の2)の適用を受けていないこと。(引用:国税庁)
この要件は初めて住宅を購入される方には関係ないものになります。住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例等の適用を受けていると、住宅ローン減税を適応することができないという要件になります。

 

【中古物件のみの追加要件】

⑥中古要件

建築後使用されたものであること。(引用:国税庁)
中古物件であることが要件になっているだけなので、特に気にしなくてもよい要件です。

⑦築年数要件or耐震要件

※築年数要件か耐震要件のどちらかを満たしていたら大丈夫です。

築年数要件
家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下であること。(引用:国税庁)
あまりにも築年数が経っている物件は住宅ローン減税の適応外になるという要件です。マンションなどの耐火建築物の場合には、「築25年以内」に要件が緩和されます。耐火建築物とは登記簿の構造に「石造」、「鉄筋コンクリート造」、「鉄骨造」などと記載されている建物のことで、軽量鉄骨造は「築20年以内」の方なので注意が必要です。こちらも登記簿証明書により証明できます。

耐震要件
地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるもの(耐震基準)に適合する建物であること。
耐震基準適合の証明のためには耐震基準適合証明書、または建設住宅性能評価書(等級1~3級)が必要で、住宅取得日の前2年以内のもののみ有効です。上記書類がない場合は、宅売買瑕疵担保責任保険契約の証明書でも耐震基準適合を証明できます。これらの書類は住宅の引渡し前のものでなければ認められないので、住宅購入前に確認するようにしましょう。耐震基準適合証明書発行のためには建築士による診断が必要なので、まずは相談してみましょう。また、平成26年4月1日以後に取得した中古住宅の場合、居住までに耐震改修工事を申請し、耐震基準適合を証明することができるなら本要件はクリアしたことになります。

 

⑧取得要件

取得の時に生計を一にしており、その取得後も引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者などからの取得でないこと。
この要件は、例えば夫が住宅ローン減税を受けた後、妻に中古物件として売り、妻も住宅ローン減税を受けるのを阻止するものです。

 

⑨非贈与要件

贈与による取得でないこと。
贈与ではなく、購入であることが住宅ローン減税を受けるための要件となります。以上、数多くの要件を解説しましたが、いかがでしょうか?

 

少なくとも多くの基準およびその基準を満たしているか証明する多くの書類が必要ということはお伝え出来たかと思いますので、まずは建築士に相談してみはいかがでしょうか?

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